製品概要
バス釣りの世界において、ビッグスプーンは特別な存在感を放つルアーです。その中でも、ジャッカルから2023年に登場したカウンターバック(COUNTER BACK)は、従来のビッグスプーンの概念を覆す革新的な設計で注目を集めています。しかし、なぜこのルアーがこれほどまでに話題となっているのでしょうか。
カウンターバックは、「THE BACK SLIDE BIG SPOON.」というキャッチフレーズが示すように、バックスライドアクションに特化したビッグスプーンです。また、開発には長年の経験を持つプロアングラーが監修に携わり、実戦で培われた知識と技術が惜しみなく投入されています。さらに、「これでしか食わない魚」をターゲットにするという明確なコンセプトのもと設計されています。
基本スペックは、全長120mm、重量38g、シンキングタイプとなっています。また、価格は1,760円(税込)と、ビッグスプーンとしては手頃な価格設定が魅力的です。さらに、JB/NBCトーナメントでの使用も認められているFeco認定アイテムとして、競技シーンでも活用できる信頼性を備えています。
特に注目すべきは、従来のビッグスプーンとは一線を画す独自のアクション特性です。また、左右非対称のボディデザインにより、これまでにない水中での動きを実現しています。そのため、既存のルアーでは反応しない魚に対しても、高い効果を発揮することが期待できます。
主な特長
革新的なバックスライドアクション
カウンターバックの最大の特徴は、水平バックスライドフォールにあります。従来のビッグスプーンは、フォール時にヒラヒラと不規則な動きをすることが多く、時として魚に警戒心を与えてしまうことがありました。しかし、カウンターバックは左右非対称のボディ設計により、水を均等に受けることなく、素早く安定したバックスライドフォールに移行します。
このアクションの秘密は、ボディの形状にあります。また、カップ形状とボディの厚みが絶妙にバランスされており、ロールアクションをしながらも一定の角度でバックスライドを維持します。さらに、ラインにテンションをかけていない状態でも、自発的なアクションを生み出すため、ナチュラルなフォールを演出できます。
独自の構造設計
左右非対称ボディの効果
一般的なスプーンは左右対称の形状が基本ですが、カウンターバックは意図的に非対称デザインを採用しています。この設計により、水流を不均等に受けることで、予測可能なバックスライド軌道を実現しています。また、この特性により、魚が追いつきやすいフォールスピードを維持しながらも、十分なアピール力を確保しています。
フック側の鰭デザイン
ビッグスプーンとしては珍しく、フックを装着するサイドに鰭をデザインしています。これは、ボトムに向かって逃げる魚の姿をより自然に演出するためです。さらに、この鰭により水流の変化が生まれ、より複雑で魅力的なアクションを生み出します。
実用的な機能性
カウンターバックには、実釣での使いやすさを向上させる機能も搭載されています。まず、スイベルアイの採用により、糸ヨレの防止とファイト時のバレ軽減を実現しています。また、ティンセルフックが複雑なアクションと波動を生み出し、バイト誘発効果を高めています。さらに、このティンセルフックはバイトマーカーとしての役割も果たし、微細なアタリも見逃しません。
詳細スペック・技術解説
カウンターバックの技術的な詳細を理解することで、その性能をより効果的に活用できます。以下に、主要なスペックと技術的特徴を詳しく解説します。
項目 | 詳細 |
全長 | 120mm |
重量 | 38g |
タイプ | シンキング |
価格 | ¥1,760(税込) |
カラー展開 | 10色 |
認定 | Feco認定 |
重量38gという設定は、ビッグスプーンとしては標準的な重さです。しかし、この重量により十分な飛距離を確保しながらも、適度なフォールスピードを実現しています。また、120mmという全長は、バスが捕食する小魚のサイズ感を意識した設計となっています。
技術的な観点から見ると、カップ形状の設計が特に重要です。このカップが水を受ける角度と面積が、バックスライドアクションの安定性を決定しています。さらに、ボディの厚みも計算されており、浮力と沈下速度のバランスが絶妙に調整されています。
カラーラインナップは、ブルーギル、オイカワオス、ジャパンシャッドなど、日本の湖沼に生息するベイトフィッシュを意識したリアルなパターンが中心です。また、ガンメタ系やマット系のカラーも用意されており、様々な水質や天候条件に対応できます。さらに、各カラーには専用のJANコードが設定されており、購入時の識別も容易です。
Feco認定を受けていることも重要なポイントです。これにより、JB/NBCトーナメントでの使用が可能となり、競技シーンでもその性能を発揮できます。また、環境に配慮した素材の使用も認定の条件となっており、持続可能な釣りの実現にも貢献しています。
実釣インプレッション・使用感
キャスト性能とアクション特性
実際にカウンターバックを使用してみると、まずそのキャスト性能の高さに驚かされます。38gという重量により、強風下でも安定した飛距離を確保できます。また、空気抵抗を考慮したボディ形状により、キャスト時の姿勢も安定しています。さらに、着水音も比較的静かで、魚に警戒心を与えにくい設計となっています。
フォール時のアクションは、まさに設計通りの水平バックスライドを実現します。従来のビッグスプーンのような不規則なヒラヒラ感はなく、一定の角度を保ちながら後方に滑るように沈んでいきます。また、このアクションは魚の目線から見ると、逃げ惑う小魚の動きに非常に近く、強いバイト誘発効果を発揮します。
フォール特性の詳細
フォール速度は、バスが追いつけるスピードに調整されています。速すぎず遅すぎない絶妙なスピード感により、魚に十分な捕食機会を与えます。また、ラインテンションをかけていない状態でも、自発的なアクションを継続するため、ナチュラルなプレゼンテーションが可能です。さらに、ティンセルフックの微細な動きが、フォール中にも追加のアピール効果を生み出します。
バイト誘発能力と実釣結果
実釣での結果は非常に印象的です。特に、他のルアーに反応しない魚に対して高い効果を発揮します。また、ディープエリアでのバーチカルな釣りにおいても、その真価を発揮します。さらに、季節を問わず安定した釣果を期待できるのも大きな魅力です。
バイトの瞬間は、ラインがギュンギュンと引かれるような明確なアタリとして現れます。これは、魚がルアーを確実に捕食している証拠であり、フッキング率の高さにもつながっています。また、スイベルアイの効果により、ファイト中のバレも軽減されています。
使用方法・テクニック
カウンターバックを効果的に使用するためには、適切なテクニックの習得が重要です。基本的な使い方から応用テクニックまで、段階的に解説します。
基本的な使用方法は、ナナメ風下に向かってフルキャストすることから始まります。その後、ロッドを少し上げた状態で、サミングしながらバックスライドフォールさせます。また、この際のロッドポジションが重要で、適度な角度を保つことでルアーの姿勢を安定させます。
フォール中は、ラインの動きを注意深く観察します。バイトは多くの場合、フォール中に発生するため、ラインの変化を見逃さないことが重要です。さらに、ティンセルフックがバイトマーカーの役割を果たすため、視覚的な変化も確認できます。
応用テクニックとしては、リフト&フォールの組み合わせが効果的です。ボトムまでフォールさせた後、軽くリフトしてから再度フォールさせることで、より多くの魚にアピールできます。また、ストラクチャー周りでは、障害物に沿ってスローにフォールさせることで、隠れている魚を誘い出すことができます。
推奨タックルセッティング
カウンターバックの性能を最大限に引き出すためには、適切なタックル選択が不可欠です。38gという重量を考慮すると、ミディアムヘビー以上のロッドが推奨されます。
ロッドは、6フィート6インチから7フィートのベイトロッドが理想的です。また、ファーストテーパーよりもレギュラーテーパーの方が、ルアーの重量を活かしたキャストがしやすくなります。さらに、感度の良いロッドを選ぶことで、微細なバイトも確実に感知できます。
リールは、ベイトリールの使用を強く推奨します。ギア比は6.3:1から7.1:1程度が適しており、巻き取り速度とパワーのバランスが取れています。また、ドラグ性能の高いリールを選ぶことで、大型魚とのファイトも安心です。
ラインは、フロロカーボンの16lbから20lbが標準的です。フロロカーボンの低伸度特性により、フォール中のバイトも確実に感知できます。また、水中での視認性が低いため、魚に警戒心を与えにくいのも利点です。さらに、根ズレに強いため、ストラクチャー周りでの使用にも適しています。
競合製品との比較
ビッグスプーン市場には、ダイワのDスプーンやスティーズスプーンなど、多くの競合製品が存在します。しかし、カウンターバックは独自の特徴により差別化を図っています。
価格面では、1,760円という設定は非常に競争力があります。他の高級ビッグスプーンと比較すると、コストパフォーマンスに優れています。また、Feco認定を受けていることも、トーナメント志向のアングラーには大きなメリットです。
技術的な差別化ポイントは、やはりバックスライドアクションの安定性です。従来のビッグスプーンが不規則な動きをするのに対し、カウンターバックは予測可能で安定したアクションを実現しています。さらに、左右非対称のボディデザインは、他の製品では見られない独自の特徴です。
使いやすさの面でも、スイベルアイの採用により、初心者でも扱いやすい設計となっています。また、ティンセルフックによるバイトマーカー機能は、経験の浅いアングラーにとって非常に有用です。
初心者向け選び方ガイド・まとめ
ビッグスプーンを初めて使用する方にとって、カウンターバックは理想的な選択肢です。まず、安定したアクション特性により、テクニックに頼らずとも一定の効果を期待できます。また、明確なバイト感により、アタリの判別も容易です。
初心者が注意すべき点は、適切なタックル選択です。軽すぎるタックルでは、ルアーの性能を活かしきれません。また、キャスト時の安全性も重要で、周囲の確認を怠らないよう注意が必要です。
購入時のポイントとしては、まずカラー選択が重要です。クリアウォーターではナチュラル系、マッディウォーターではアピール系を選ぶのが基本です。また、使用するフィールドの水深や地形も考慮して選択しましょう。
総合評価
カウンターバックは、革新的なバックスライドアクションと優れたコストパフォーマンスを両立した、非常に魅力的なビッグスプーンです。初心者から上級者まで、幅広いアングラーにおすすめできる製品といえるでしょう。特に、従来のルアーでは反応しない魚を狙いたい方や、ビッグスプーンの世界に足を踏み入れたい方には、最適な選択肢となるはずです。
ビッグスプーンの新たな可能性を切り開くカウンターバック。その独自のアクションと実用性を、ぜひ実釣で体験してみてください。きっと、これまでにない釣りの楽しさを発見できるはずです。
参考サイト:
ジャッカル公式サイト - カウンターバック